菜香亭の開館１０周年を無事迎えることが出来ました。関係者の皆様に衷心より感謝申し上げます。
以下は、２０１１年２月の商工会議所月報に掲載された菜香亭管理責任者時代の私の文章です。お時間のございます方はどうぞお読みください。
また、末筆には近年の菜香亭の歩みを写真にてご紹介しております。どうぞお楽しみください。
現在、天花にあります菜香亭は、もともと八坂神社境内の一角にありました。
菜香亭が、今ここに、このような荘厳な姿で残っているのは、遡れば、山口市を代表するイベントとなった「アートふる山口」の第１回目を、平成８年に実施したことに始まります。
会場の一つとして、菜香亭を活用し、生花や絵画の展示、喫茶や和楽器演奏を行い、菜香亭の持つ趣と相まって、大いに賑わうとともに、菜香亭の魅力を発信することにも繋がりました。
以来、アートふる山口ではもちろん、市民団体による菜香亭の利活用が、急増していくこととなりました。
しかし、明治４年に料亭として創業し、伊藤博文や桂小五郎、西郷隆盛など歴史的人物を迎え、明治維新など激動の時代を駆け抜けてきた建物の老朽化は激しく、山口市の貴重な文化財を、維持管理していく方法を模索する必要がありました。
そんな折、発足させたのが、歴山会の前身である「菜香亭と十朋亭をチョッと素敵に甦らせる会」です。
数々の偉人が踏みしめた廊下や、歴史的な会合が行われた亭内の高貴な雰囲気を、後世に残したいと思う有志が集まった同会では、保存活動に向けた署名活動や、清掃活動を行いました。
５，０００名もの方々に署名いただき、清掃活動では、３年半の間、毎月数十名のボランティアに参加していただく等、その活動の輪は年々広がり、菜香亭を保存し、有益に活用しようという意識は、山口市全体に広がりました。
そして、文化庁の補助事業に採択されたことや、多くの方々の多大なる協力を得て、平成１６年に移築工事が完了したのです。
今では、山口市を代表する観光地となり、多くの観光客を迎え、山口市の様々な魅力を発信するとともに、広く市民に開放し、文化活動の拠点となっています。
私は、保存・活用・移築について、スタート時から深く関わってきましたが、様々な問題を抱える中、少しずつ市民の関心が高まり、山口市を愛する人の一つひとつの声が集まり、そして行動し、今に至った経緯を肌で感じてきました。
今、観光客の皆さんや山口市民の皆さんを迎える菜香亭を見ると、誇りに思うと同時に、感動を覚える次第です。
以下、当時の写真を元に近年の菜香亭の歩みを振り返ってみたいと思います。
2009/09/05
安部前首相が突然、扁額の書を持参されました。
首相になられたときから、お願いをしていたもので、これで山口県出身の総理大臣の書が、菜香亭に揃いました。
2011/02/26
「明治の洋食」のイベントを開催しました。菜香亭は３代目が洋食を始められ、西日本では、最も早いお店の一つでした。現在も当時のお品書きやレシピが残っており、今回はそれを復元したものです。関係者の皆さん、ありがとうございました。
2011/08/30
「おごうさんを偲ぶ会」を菜香亭にて開催しました。
菜香亭保存活動以来、大変可愛がっていただいた、おごうさんの「ユア・マイ・サンシャイン」の歌声を思い出し、楽しいひとときを過ごさせていただきました。
2012/03/10
「東日本大震災」の復旧支援チャリティーコンサートを開催致しました。
多くの方にご来場いただきありがとうございました。
2012/11/17
菜香亭で着物展を開催。冒頭、ご挨拶をさせていただきました。着物姿を「馬子にも衣装」と冷やかされました。菜香亭では常時着付けサービスを行っています。是非一度、お試し下さい。
2016/12/16
アンティーク着物展のオ－プニングパーティーでご挨拶させていただきました。
2012/12/24
アンティーク着物展の最終日、ご挨拶させていただきました。
2013/2/07
「東日本復興支援チャリティーコンサート」を今年も開催しました。遅々として進まない復興に憤りを感じています！
2013/2/16
「地酒の会」を開催しました。昨今の地酒ブーム、多数のご来場ありがとうございました。
2013/06/22
好評につき「地酒の会」４ヶ月ぶりに開催しました。シリーズ化していきたいと考えています。
2013/12/21
「日本のクリスマスは山口から」の一環で講演会を開催しました。
多数のご来場ありがとうございました。