平成26年山口市議会 経済建設委員会視察

18日から20日にかけて市議会による視察旅行に行ってまいりました。以下、時系列に写真を添え視察報告とさせて戴きます。
18日 京都府南丹市「植物工場について」
sisatu20141118-01.jpg
植物工場について京都府南丹市園部町の「公益財団法人 園部町農業公社」を視察。同法人はブランド米の販売、農産加工品製造販売、農作業受託事業、農業後継者育成事業、農産物加工事業、道の駅「京都新光悦村」の運営等、多角的な運営を行っている農業法人で、その一事業として植物工場の運営を行っている。植物工場は平成7年に農協が建設し、その後旧園部町に無償譲渡、平成17年に旧園部町が園部町農業公社に無償譲渡され、現在は公社が福井県の農業法人「ハイテクファーム」に業務委託。電気料金の値上げなどで経営状態が悪化し、25年度は半年間休業している。現在は会津富士加工㈱のフランチャイズ工場として、低カリウムレタスなどの葉物商品の製造を行っている。
●気づき
○葉物商品は単価が安価で露地物との競争では不利である(水耕栽培等による高付加価値の他品種野菜の製造を模索した方が良い)
○生産量に対して販売量が追い付かず販路の確保が必須である
○照明のLED化など施設改良によっては経営改善の余地はあるが初期投資の大きさを考えると、山口市で導入することはリスキーであると考える!
19日 兵庫県姫路市「姫路駅周辺地区総合整備事業について」
sisatu20141119-01.jpg
姫路駅周辺地区総合整備事業の件について姫路市議会で説明を受けた後、姫路駅周辺地区総合整備事業(CASTY21)の現地視察を行った。
姫路市は兵庫県南西部、播磨平野のほぼ中央にあり、人口約53万人、播磨都市圏域人口約185万人を有する全国初の中核市である。かつては、JR山陽本線により市が南北に分断されて慢性的な交通状態をまねいていたが、その解消のために国鉄高架化基本構想をつくり、平成23年3月に高架化を完了した。
sisatu20141119-02.jpg
その後、JR姫路駅高架下並びにJR新高架下の活用、南北市街地一体化の推進や姫路市幹線道路網の整備を中心に都市基盤の整備を進めている。CASTY21は姫路駅周辺土地区画整理事業として行われ施工面積45.45ha、施工期間平成元年~平成28年、総事業費415億円の事業である。また開発において官民協働の取り組みを積極的に行っており、公共空間活用社会実験頻繁に行っている。
sisatu20141119-03.jpg
●気づき
○開発をゾーン分けし、ゾーンごとの基本的な方向、また主な事業者(公共か民間化)していることから、計画自体がわかりやすい
○商圏人口185万人を有しているため、民間活力の導入が山口に比べて図りやすい
○駅前から姫路城址に至る大手前通りの面的整備を積極的に行っている
○都市整備関して官民共同の取り組みを積極的に行っており、新山口駅周辺の開発に於いてもモデルケースとして活用できると思う
20日 島根県邑南町「A級グルメ立町について」
sisatu20141120-01.jpg
A級グルメによる立町という興味深い案件について、島根県邑南町を視察した。
邑南町は島根県の山間部に位置し、面積のほとんどが林野や田畑のまちで、少子高齢化や人口減少、耕作放棄地の増加など他の中山間地域と同様の問題を抱えている。他地区と異なるのはハーブ米や石見和牛肉、石見ポーク、シックスプロデュースの牛乳、キャビア、高原野菜など特色ある農畜産物、またハーブガーデン香木の森や瑞穂ハイランドスキー場など自然豊かな観光資源・施設を有しているところ。邑南町は「A級グルメ立町」と「日本一の子育て村構想」を柱に定住人口の増加と産業人口を実践しており、この攻めと守りの戦略で移住希望者が増えている。
sisatu20141120-02.jpg
●気づき
○半農半Xという考え方に共感、山口でも導入の必要あり(半農半Xは島根県が積極的に支援している兼業就農という考え方。)
○山口市にも全国に誇れる食材があり、「A級グルメ」によるまちづくり、また「食」による「職」の創出はビジネスモデルとして成り立つと思われる